2026年10月22日

OPPとCPPの違いとは?包装フィルムの特徴と用途別の選び方を詳しく解説

ラッピング フィルム

包装用の透明フィルムを調べていると、「OPP」や「CPP」という名前を目にすることがあります。どちらもポリプロピレンを主な原料とするフィルムですが、製造方法や性質には違いがあります。一般的に、OPPは透明性やコシ、CPPは柔軟性やヒートシールへの対応が特徴です。

ただし、同じ素材でも製品によって性能は異なります。そのため、素材名だけで「どちらが丈夫か」「どちらが使いやすいか」を判断することはできません。この記事では、OPPとCPPの違い、それぞれの特徴、包装用途に応じた使い分け、選ぶ際の確認ポイントを分かりやすく解説します。

OPPとCPPの違いとは

OPPとCPPの大きな違いは、製造工程でフィルムを引き伸ばす「延伸」という加工の有無です。OPPは二軸延伸フィルム、CPPは無延伸フィルムと呼ばれます。この違いが、フィルムの硬さや伸び方、加工適性などに関係しています。

OPPは透明性とコシが特徴の二軸延伸フィルム

OPPは「Oriented Polypropylene」の略で、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを指します。二軸延伸とは、製造工程でフィルムを縦方向と横方向に引き伸ばす加工です。OPPは一般的に透明性や光沢があり、コシのあるフィルムとして知られています。

ここでいうコシとは、フィルムが曲がりにくく、形を保とうとする性質のことです。商品の見せ方や、包装作業での扱いやすさを考える際の判断材料になります。

OPPは透明な包装袋のほか、印刷やラミネート加工に使うフィルムの基材などにも利用されています。ただし、OPPには複数の製品グレードがあります。表面処理や加工によって性質が異なるため、すべてのOPPが同じ用途に適しているわけではありません。

CPPは柔軟性とヒートシール性が特徴の無延伸フィルム

CPPは「Cast Polypropylene」の略で、無延伸ポリプロピレンフィルムを指します。OPPのような二軸延伸工程を経ないことが特徴です。CPPは一般的に柔軟性があり、しなやかなフィルムとして扱われています。

また、ヒートシールに対応する製品が多く、袋の内側に使用するシール層としても選ばれています。ヒートシールとは、フィルムの接合部分に熱と圧力を加えて封をする加工です。

ただし、CPPという名称だけで、どのような条件でも接合できるとは判断できません。必要な温度や圧力などの加工条件は製品によって異なるため、使用するフィルムの仕様を確認することが大切です。

OPPとCPPの特徴を比較

OPPとCPPの一般的な違いを整理すると、次のとおりです。

比較項目OPPCPP
主な原料ポリプロピレンポリプロピレン
製造方法二軸延伸無延伸
一般的な質感コシがある比較的しなやか
透明性・光沢透明性や光沢が特徴透明性のある製品も多い
ヒートシール性対応するグレードもある対応する製品が多い
主な用途例透明袋、印刷・ラミネート用基材包装袋、ラミネートのシール層

この表は一般的な特徴を示したもので、すべての製品に当てはまるわけではありません。また、強度を比較する場合は、引っ張る力への強さや引き裂きにくさなど、評価する項目を分ける必要があります。OPPとCPPのどちらが優れているかではなく、用途に必要な性質を持つ製品を選ぶことが重要です。

OPPとCPPは包装用途でどう使い分ける?

OPPとCPPを選ぶ際は、何を包装するのか、どのように袋を加工するのかを確認しましょう。同じ透明フィルムでも、商品を見せる包装と、熱で封をする包装では重視したい条件が異なります。

商品を見せる透明袋での選び方

雑貨や文房具、衣料品などの包装では、中の商品が見えることが求められる場合があります。こうした用途では、透明性や光沢、袋の形状を保ちやすいかどうかが選定のポイントです。OPPは透明感やコシを生かした包装に使われることがあります。

例えば、商品を見せながら袋に入れる用途では、フィルムの外観だけでなく、袋の開けやすさや商品を入れやすいかどうかも確認したいところです。

一方、CPPにも透明な包装フィルムがあります。柔らかな質感や袋の形状が用途に合う場合には、CPPも選択肢になります。透明袋を選ぶ際は、見た目だけでなく、商品の形状や包装作業との相性も確認しましょう。

ヒートシールが必要な包装での選び方

袋の口を熱で封じる場合は、フィルムのヒートシール適性が重要です。CPPにはヒートシールに対応した製品が多く、包装袋の接合部分やラミネートフィルムの内側に使われることがあります。

一方、OPPにもヒートシール性を持たせた製品があります。そのため、「OPPは熱で封ができない」「CPPなら必ず封ができる」といった単純な区別は適切ではありません。実際の加工では、フィルムの種類だけでなく、シール機の温度や圧力、接合時間などの条件も関係します。

また、封をした直後の見た目だけでは、必要な接合状態を確保できているか判断しにくい場合があります。ヒートシールを使う包装では、メーカーが示す製品仕様や推奨加工条件を確認し、使用する設備との適合性を検討しましょう。

OPPとCPPを貼り合わせるラミネート包装

包装フィルムには、異なる素材を貼り合わせた「ラミネートフィルム」もあります。ラミネートとは、複数のフィルムなどを積層し、それぞれの性質を組み合わせる加工です。

例えば、OPPとCPPを組み合わせる構成では、OPPを外側の基材として、CPPを内側のシール層として使用する場合があります。外側のフィルムには印刷や外観に関する役割を持たせ、内側のフィルムには袋を封じる役割を持たせる考え方です。

ただし、OPPとCPPを貼り合わせれば、どのような内容物にも適した包装になるわけではありません。内容物の性質や保管条件によっては、別の素材やフィルム構成を検討する必要があります。単体フィルムで使うのか、複数の素材を組み合わせるのかも、包装設計で確認したいポイントです。

OPPとCPPを選ぶ前に確認したいポイント

OPPとCPPの特徴を理解したら、実際の使用条件を整理しましょう。フィルムの名前だけで決めず、厚み、袋の加工方法、内容物との相性を確認することが大切です。

フィルムの厚みと製品仕様を確認する

OPPとCPPには、さまざまな厚みの製品があります。同じ素材でも、厚みが異なれば、手触りや扱いやすさなどが変わる場合があります。ただし、厚いフィルムであれば、必ずすべての性能が高くなるわけではありません。例えば、袋に必要なコシや柔軟性は、厚みだけでなく、素材の構造や製品グレードにも関係します。

また、印刷やラミネートを予定している場合は、フィルム表面の処理や加工適性も確認したい項目です。メーカーの製品資料では、厚みのほかに、用途や加工上の特徴が示されていることがあります。複数の製品を比較するときは、素材名だけでなく、個別の仕様を確認しましょう。

袋の形状と加工方法を確認する

包装フィルムを袋として使う場合は、完成する袋の形状も重要です。例えば、商品の出し入れを目的とする袋と、内容物を入れた後に封をする袋では、必要な加工が異なります。テープで口を閉じる袋や、熱で接合する袋など、使用方法によって確認すべき条件も変わります。

また、袋を作る工程では、フィルムの切断や接合、印刷などの加工が行われることがあります。こうした加工に適しているかどうかは、フィルムの種類や製品仕様によって異なります。包装材を選ぶ際は、完成品の見た目だけでなく、製造工程や使用する設備も含めて検討することが大切です。

包装の基本的な役割や種類については、関連記事「何のために行う?包装の役割や種類、梱包との違いを解説」も参考になります。

内容物と使用条件に合うか確認する

最後に確認したいのは、包装する商品の性質と使用環境です。例えば、軽い雑貨を入れる袋と、内容物を密封して保管する袋では、求められる性能が異なります。商品によっては、湿気や酸素、温度などへの対応を考える必要があります。

ただし、OPPやCPPという素材名だけで、内容物の品質を保てるかどうかを判断することはできません。必要な保存性能がある場合は、フィルムのバリア性や包装全体の構成を確認しましょう。

また、食品に直接触れる包装では、用途に応じた適合性の確認が必要です。素材名だけを根拠に、食品包装へ使用できると判断しないことが大切です。内容物、加工方法、保管条件を整理したうえで、必要な性能を持つフィルムを選びましょう。

まとめ

OPPとCPPは、どちらもポリプロピレンを主な原料とする包装フィルムですが、製造方法や性質に違いがあります。OPPは二軸延伸によるコシや透明性などが特徴で、CPPは無延伸による柔軟性や、ヒートシール用途での使いやすさが選定時のポイントになります。

ただし、実際の性能は製品グレードや加工条件によって異なります。OPPとCPPを選ぶ際は、素材の一般的な特徴だけでなく、商品の見せ方、袋の加工方法、内容物との相性を確認することが大切です。使用目的を整理し、製品仕様を比較しながら、用途に合った包装フィルムを検討しましょう。